From a Whisper to a Scream: The Living History of Irish Music (CentreStage WHE73125, 2000)
20世紀後半のアイルランドのポピュラー音楽史を貴重な映像でつづるドキュメンタリー。曲は細切れだが、1950年から現在に至るアイルランド音楽の動きに何らかの関心があれば一度は見ておく価値がある。
当時の動きについてアーティストや関係者が語る回想的コメントが非常におもしろい。
VHS テープも出ているが、ここに記した番号は米国版の DVD。 Region 0 つまりどのプレーヤーでもかかるフォーマットで、日本の DVD プレーヤーで問題なく再生できる。全部で155分あるが、3つのパートに完全に分かれているので、ゆっくり見られる。
評価―― ★★
音楽の歴史において、どんな瞬間にイノヴェーションが起こるのかを何人かのアーティストが明かしている。ドーナル・ラニーしかり、モーィラ・ブレナンしかり。
音楽のことだけでなく、社会の動きについてのアーティストの真剣なことばも傾聴に値する。
なお、このビデオのタイトルはたまたま Allen Toussaint のアルバムと同じだが、おそらくはシネード・オコナーのコメント 'Sometimes whispers can be just as powerful as screams can.' から来ているのだろう。
それにしても、ポール・ブレイディが撮影中にその場で〈アーサー・マクブライド〉を歌いだすと一瞬時がとまる。一曲全部収録しないとは実に惜しい。
アイルランドのどんな音楽が好きでも、おそらくこのビデオをみたら、もっと好きになるだろう。
けれども、もし、アイルランドの伝統音楽が好きなら、ぜひ、DVD 版のボーナス・インタヴューに収められた 'On Traditional Irish Music' のセクションを見てほしい。示唆に富むコメントがいっぱいで、私ならこれをベスト・カットにあげたい。
下記にアーティストと関係者の一部をあげる。
- Paul Brady
- Christy Moore
- Iarla Ó Lionáird
- Afro Celt Sound System
- Seán Ó Riada
- Emmet Spiceland
- Planxty
- Moving Hearts
- Donal Lunny
- Clannad
- Máire Brennan
- Sinéad O'Connor
- Bill Whelan
- Riverdance
- The Waterboys
- Hothouse Flowers
- Bono
- U2
- Bob Geldof
- Rory Gallagher
- Van Morrison
- Them
- Thin Lizzy
- Phil Lynott
- Pogues
- The Cranberries
- The Corrs
- The Divine Comedy
- Ash