Caladh Nua, Honest to Goodness (CN003, 2014)

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 素晴らしいアルバムだ。アイリッシュ・ミュージックが好きなら即買い級といえる。

 アイルランド南部のバンド Caladh Nua の3枚目のアルバム。これまでの2枚も素晴らしいアルバムだったが、今作はさらに輪をかけていい。器楽曲も歌もノリにノっている。

 一聴したところは相変わらず控えめで落ち着いた感じだけど、よく聴くと随所にミュージシャン好みの仕掛けが満載で、唸らされる。

 一言でいって伝統色が強まった。にもかかわらず、音楽的な実験や冒険が隠し味として含まれており、現代的なスリルも感じさせる。

 どのトラックもいいけれど、歌のほうは Lisa が地元の女性の歌で覚えたという 'Lady of Loughrea' が絶品。無伴奏歌唱で始まり、最小限のギター伴奏のみで唄われる。この歌は他では聴いたことがない。

 器楽曲ではノヴァスコシアのフィドラーの曲 'Princess Florence's Jig' での Paddy のヴィオラが素晴らしい。

 録音は彼らの地元のウォータフォード県のアン・ライン(An Rinn)にある Clancy Studios でとられている。音質が抜群。

 私は数年前に彼らをキラー二(アイルランド南部)のコンサートで見たことがあるけれど、その時に比べてさらによくなった。今後も、彼らの音楽が楽しみだ。

 なお、このアルバムは Claddagh Records などで入手できるほか、デジタル・ミュージックの配信でも手に入る。