詩をかんがえるとき、ことばの音楽を考えないわけにいかない。

 

 韻律論ということばがある。

プロソディー」。

  プロソディーということばは実はふたつの意味がある。

 詩学でいうプロソディーと、言語学でいうプロソディー。

 

 だけど、そのふたつはオーバーラップするのだ。

  

 詩学があつかうプロソディーはどちらかというと作詩法にちかい。

 言語学のプロソディーの方はどちらかというと科学にちかい。

 

 にもかかわらず、同じ名称をもつこれらふたつは重なり合う。

 

 英語の場合にその両方を視野に入れた良い本を一冊紹介すると、『英語の発音と英詩の韻律』(英潮社、1991)がある。言語学の方を担当している窪薗 晴夫さんはこの分野の世界的権威のひとりだ。実に分かりやすいけれど、残念ながら古書でしか手に入らない。


KubozonoEigo