Oliver Knight, Mysterious Day (Topic, 2001)
オリヴァー・ナイトのソロ第1作。
うーん、こんなアルバムを作るとは。近年の傑出した英国のアルバムの音質を支えるエンジニアとしての仕事ぶりから、音に対して非常に鋭い感覚を持っていることは分っていたが。あるいは、亡き母ラル・ウォータスンとの2枚の英国音楽史に残るアルバムでのギター奏法から、只者ではないとは思っていたが。
このアルバムは、そうした過去のイメジのどれをもぶちやぶるインパクトがある。かといって、こんな音楽と一言で説明できることばが見つからない。強いて言うならオリヴァー・ナイトの音楽世界としか言いようのないものだ。
彼は歌はうたわないので、ここに収められた 7 曲の歌はいずれもゲストがうたっている。どれもすばらしい。
他の 5 曲は器楽曲で、自由に好きなことをやっている。ただ、好きなようにやりすぎて、焦点がつかみにくい。悪いわけではないが。昏い光ただよう英国の音楽の系譜につらなることが確かに分る手ごたえはある。
何と言っても血はあらそえない。この音感覚。こういう、可能性に満ちあふれた音楽を聞くことは楽しい。
収録曲――
- Mysterious Day
- Fylde
- My Sweet Lullaby
- Emotion
- Go from My Window
- South Sea's
- Evona
- Nelly
- Once in a Blue Moon
- Summer Lightning
- Hush
- Sleeping
参加アーティスト――
- Christine Collister, Maria Gilhooley, Eliza Carthy, John Tams, Norma Waterson, Barry Coope (vo)
- Oliver Knight (g, sequencing, programming, production, recording)
- Chris Parkinson (p, hca)
- Jo Freya (sax)
- Alice Kinloch (tuba)
- Andy Cutting (melodeon)
ベスト・トラックは 'My Sweet Lullaby'。
トラック9 'Once in a Blue Moon'. Norma Waterson (vo)