Damien Rice, 'The Blower's Daughter'
Damien Rice の歌 'The Blower's Daughter' の中におもしろい歌詞が出てくる。
The colder water
The blower's daughter
この colder - blower's の凝った母音韻と、water - daughter の脚韻に(文字通り)冷水を浴びせられ萎えた気分でいると、突然 3'25" で曲調が変わり、Lisa Hannigan が歌いだして「あなたが嫌いだなんて言った?」と。
このあたりの感じにゾクゾクする。
こういう母音韻は古くから知られてはいる。が、最近、ヒップホップでもよく耳にするし、Miyavi の歌 'The Others' にも出てきた。
We are every color
We are the others
この color - others の母音韻はのけぞるほどカッコいい。
ふつうの母音韻だと強勢音節の母音韻どうしが一致するだけだ。が、このタイプの母音韻だと、その次の無強勢音節の母音も一致する。そして、子音が違っている。この子音が同じだと脚韻と同じパタンになる(water - daughter のように)。違うから新鮮でカッコいいのだ(colder - blower's のように)。
石井白村の『英詩韻律法概説』によると母韻(母音韻)とは
2つまたはそれ以上の重要な語の強勢のある音節(及びそれに続く弱音節)の母音が一致し、子音の異なることを母韻(assonance, vowel rhyme)という。(134頁)
例がおもしろい。弱音節が1つの例: blackness - dances. 2つの例: penitent - reticence. 「続く弱音節が一致するものは imperfect といわれる」ともある。例: roaming - floating.
Lisa Hannigan
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