2000年頃まで使われていた 'short short story' に代わって今では 'flash fiction' というらしい。ともかく50語から1000語くらいの超短篇。

英ガーディアン紙が Tin House 誌と組んでやっている 'Flash Friday' という企画の2016年4月29日の分がおもしろかった。

 アイルランドの作家 Claire-Louise Bennett の作品 'Two Weeks Since'. 散文詩といっても通るくらいの詩的文体。馬が二頭出てくる。登場人物もどうやら男女の二人。馬の出産シーンもある。主語のある文はない。さすが短篇の王国アイルランドの作家だけはある。見事な作品だ。

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 男は自ら「麦わら帽」と呼ぶ帽子をしっかり持って田舎道を歩く。馬が一頭、つづいてもう一頭、目に入る。歩きつづける。ゲートを乗り越える。飛ぶ。地面はがたがた。心臓肥大。ゆるみはじめた雨雲の雨を湖が受け止める。以上をこう語る。

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alks up back road, holding on to hat, what he calls a skimmer, sees first one horse then another. Walks on. Climbs gate, jumps, lands wonky. Heart is huge. The lake captivates a loosening rain cloud.

 つづいて登場する女は逆方向に歩く。

 全体で上の引用段落の4倍くらいの長さだからすぐ読める。詩と同じで繰返し読んでいるとだんだん全容が浮かび上がってくる。あぶりだしのような感じだ。